商業登記
商業登記とは、法務局の商業登記簿に、会社の情報を記載する手続きのことです。この手続きにより会社として公示されるので、取引の安全と円滑を図ることが可能になります。
登記簿へ記録されている会社の情報は、法務局に手数料を支払えば、誰でも見ることができます。そのため、登記簿に記録した事項に変更があった場合は、法務局で変更した事項を登記しなければなりません。登記簿の情報は勝手に変更されませんので、変更が生じた場合には自ら申請をする必要があります。
※会社設立と役員変更については、特設ページをご覧ください
会社設立・役員変更
商号・目的の変更
株式会社が商号(会社名)を変更するには、株主総会における定款変更手続きが必要です。株主総会で商号変更の承認がおりれば、登記簿の内容について商号変更の登記をします。その後、本店の所在地を管轄する法務局で、商号変更の登記申請を行います。
また、会社を運営していくなかで事業が拡大・縮小した場合には、登記簿に記録した目的の変更の手続きが必要になります。なお、商号変更の登記申請期間は定款変更の効力が生じた日から、本店所在地においては2週間以内、支店所在地においては3週間以内に申請しなければなりません。
目的変更の登記申請期間は定款変更の効力が生じた日から、2週間以内に申請しなければなりません。目的変更の登記については支店の登記事項に当たりませんので本店のみの申請となります。
増資・減資
会社の事業の拡大により資本金を増額する場合(増資)があります。また、反対に資本金を減額する場合(減資)もあります。増資をすることで会社の信用をあげる効果もありますし、減資をすることで欠損補填や税制面などの対策ができるので、事業の戦略により行われる場合があります。
また、増資と共に新たに株式を発行する場合もあります。会社が発行することができる株式の総数のことを「発行可能株式総数」といいます。増資のため募集株式の発行をするときは、この発行可能株式総数を超えることはできません。
もし、発行可能株式総数を超えて増資をする場合には、増資手続と併せて定款変更の決議を行い、発行可能株式総数を変更する必要があります。なお、登記申請期間は変更の効力が生じた日から、2週間以内に申請しなければなりません。
本店・支店移転
会社の本店や支店が移転した場合には本店移転や支店移転の登記申請を行う必要があります。本店移転の手続きには同一の管轄法務局の区域内に本店を移転するか区域外に移転するかで手続きが変わります。区域内であれば申請も本店と同一の管轄法務局でよく登録免許税も3万円で済みますが、区域外になると新旧双方の管轄法務局で申請しなければなりません。そのため登録免許税もそれぞれ3万円ずつかかりますので合計6万円になります。
なお、登記申請期間は現実に本店を移転した日から、本店所在地においては2週間以内に申請しなければなりません。
また、支店の登記をしている場合には支店所在地においても3週間以内に申請しなければなりません。この場合の登録免許税は9,000円になります。
会社の解散・清算
もう事業を行っていない場合や業績が悪化し事業継続が難しい場合などは会社を解散させることができます。会社が存続している限りは税金が課税されますし、税務署への申告義務もありますので速やかに検討されるほうがいいでしょう。
会社を解散させるには、厳格な手続きを踏まなければなりません。法律上、一定の事由に該当した場合に解散できることになっています。会社を解散させたとしても、すぐに会社がなくなるわけではありません。その後は清算会社となり清算人を選任して清算事務を行います。清算事務では債権者の保護手続きを行い、会社の財産をすべて清算することになります。それが終わってはじめて清算が結了になり会社は消滅します。
「解散」と「清算人の選任」の登記申請期間は解散の日から2週間以内に申請しなければなりません。解散と清算人の選任の登記の登録免許税は解散で3万円、清算人の選任で9,000円です。次に「清算結了」の登記申請期間は株主総会で決算報告が承認されてから2週間以内に申請しなければなりません。清算結了の登記の登録免許税は2,000円です。